残念なことが起こりました。
木曜日の1例目は、奈良からこられた進行肝癌の患者さんで
肝硬変もひどい状態でした。2年前大学で持続動注療法を受けられ
効果なく、免疫療法を受けておられましたが、ショックを起こし
それも続けられなくなり、私を訪ねてこられました。
造影剤のアレルギーはないことを確認し、木曜日治療を始めました。
持続動注のカテーテルが入ったままで、大変苦労してS8の肝外の突出する
大きな肝癌とS6の大きな肝癌を治療しましたが、S8の肝癌は横隔膜下動脈からも
栄養されなんとかと頑張りましたが、持続動注のカテーテルが邪魔をして
どうしても入らず。持続動注カテーテルを抜いて再治療する予定で終了
しました。患者さんは途中で使用したソセゴン半筒のため傾眠傾向
でしたが、呼びかけにはきちんと反応され血圧なども安定されていました。
直ぐに2例目の手術に入りこの方も血管が難しく
結局終了したのは6時を過ぎていました。疲れ果て手術した患者を
見に行かず帰宅してしまいました。
7時45分医院から電話があり患者さんが呼吸停止しているとのことで
直ちにかけつけ挿管人工呼吸、蘇生術を続けましたが1時間たっても
自発が戻らず脳死の状態でした。家族が望まれ人工呼吸器につなぐため
近くの総合病院にお願いして、副院長と看護師達て救急車で搬送しました。
残念ながら患者さんは亡くなられてしまい、腹腔内出血であったことが
判明しました。ご家族の指摘で十分な術後のバイタルチェックができて
いないことも判明し私がいつもはしている術後の回診を怠ったことも
あり、すべて当院のミスでした。
昨日、ただちに対策会議を開き、原因の究明と今後に向け、改善点を
検討しました。今後も継続的に会議を開き徹底した改善を行っていきます。
私を頼ってきてくれた患者さんとご家族の無念さを考えると
悔やんでも悔やみきれません。
これを教訓に新たな岩本内科を作り上げていくつもりです。