先週、当院で行った肝臓がんの治療を紹介します。
B型肝炎の60歳代の男性の方です。去年初めて肝臓がんができ、
ラジオ波で癌を焼く治療法(ラジオ波焼灼療法)を
関東地方でも有数の病院で受けたそうです。
治療後1年で別の部位に再発が見られ、
癌が血管へ浸潤しているかもしれない、次は手術の方がいいかもしれない
と言われ、不安を感じられて当院を受診されました。
まず、血管造影下のCT (Angio-CT)で癌の広がりを評価しました。
肝臓を栄養する動脈にカテーテルを挿入して撮った造影CTで、
肝臓の右上に1箇所再発を認めました。

その肝臓がんは門脈造影CTからの所見で、
血管への浸潤が疑われる所見でした。
それだけでなく、別の場所に、肝臓がんの再発が線状に認められました。
加えて、ラジオ波治療の周囲にもたくさんの小再発が認められました。

この患者様に対して当院で行った治療は、
まず肝臓の右上、前・後の再発肝臓がんを栄養する腫瘍動脈へ
それぞれマイクロカテーテルを挿入し、門脈動脈同時塞栓療法を行いました。
加えて、ラジオ波治療後周囲の再発肝臓がんを栄養する腫瘍動脈へ
選択的に挿入し、門脈動脈同時塞栓療法を行いました。

今回、治療した部位の再発はこの治療で抑えることが出来ると思いますが、
今は見えないレベルで癌が転移している可能性も十分にあるので、
非常に注意して経過を見る必要があります。
これから再発してくるものにも、門脈動脈同時塞栓療法をその都度行い、
数を減らしていくほかありません。
幸い、この患者様の肝臓は元気なので、きっと治療も乗り越えて、
肝臓がんを克服できると信じています。
ラジオ波治療ではこの様な再発を起こす可能性があるので、
十分注意した治療選択が必要です。
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