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みなさん、おはようございます。

ガンちゃん先生との思い出に浸ってるばかりではいけないので、
本日は先週岩本内科で私と山口院長先生とで行った
肝臓がんに対する門脈動脈同時塞栓療法をお見せします。

この患者様は、40歳代男性の方で、
B型肝炎から肝細胞癌を発症した方です。
他病院で、血管造影を用いた動注化学療法が行なわれていましたが、
継続が困難になったためソラフェニブという内服の抗癌剤を勧められ、
セカンドオピニオン(他院への意見を求めること) として
当院へ来られた患者様です。

肝臓へ行く主要動脈が、動注化学療法の留置カテ-テルのため、
閉塞してしまい治療困難となった様です。
血管造影をしますと、肝臓へ行く主要動脈は閉塞し、
通常腸に血液をもたらす動脈から迂回路を介して肝臓内へ
血液を供給していました。
その動脈の一部が、肝臓がんにも血液を供給しています。
肝臓がんはかなり進行しており、
左の門脈という血管の中にも癌が一部入り込んでいる状態でした。
治療前

マイクロカテ-テルを用いて、腸の動脈からの迂回路を通り、
肝臓内へ流入する動脈まで到達、
それぞれ腫瘍を栄養する動脈に選択的に挿入し
門脈動脈同時塞栓療法を行いました。
胆嚢を栄養する動脈の一部からも腫瘍を栄養する動脈が出ていたため、
その動脈もCTで確認しながら慎重に治療を行いました。
このような癌の状態、血管の状態で血管造影の治療を行う時は、
CTで正しい腫瘍の動脈を確認しながらでないと
自信を持って治療する事ができません。

治療後の写真では、腫瘍内、門脈内に入り込んだ腫瘍に完全に塞栓物質が
白く貯留しているのが分かると思います。
治療後
一部、胆嚢壁にも薬剤が貯留しましたが、
CTで確認し予測しながら対処をしてますので治療後1週間の経過で、
問題なく元気に過ごされてます。

門脈内へ肝臓がんが入り込むような進行した状態であっても、
腫瘍内に選択的に薬剤を注射すれば、安全に且つ効果的に
治療する事ができます。

初代ガンちゃん先生がいなくなっても、
この様な難しい症例を前と変わらずやっていけるんだと
自信を与えられた血管造影でした。
さぁ、今日も手術の日です。ガン張りますか・・

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テーマ:医療・病気・治療
ジャンル:心と身体