台風と梅雨であいにくの天気ですね。
昨日の外来では、フォロー中のB型肝炎の患者さんの
小さな肝癌を見つけました。来週治療予定としました。

半年ごとに、ダイナミックCTを撮っていましたが、
前結節無しに、突然小さな典型的な肝癌がでてきました。
こういう発がんのしかたをデノボ発がんと言います。
私の医院では、このような発がんで見つかる肝癌がほとんどです。
ところが、日本だけでなく世界で多段階発がん説が信じられています。
肝硬変の結節が、異型結節となり、早期肝癌となり、典型的な肝癌に
変化していくと考えています。
私の研究では、ごく少数の肝癌は多段階発がんしますが、多くの肝癌は
デノボように発がんします。典型的肝癌はいくら小さくても、がんですので
放置すれば、進行肝癌になり患者さんの生命を奪いますが、
国際的コンセンサスで定義された早期肝癌は、転移することなく
発育速度も遅く、典型的肝癌になるのに、0.8~5.5年の時間がありました。
あまり、リスクのある治療は必要ないのではないかと思っています。
ところが、日本中、世界中で早期肝癌だけでなく、異型結節でさえ
治療しようとする動きがあります。イタリアの有名教授が
Very early cancerの治療は、切除よりRFAの方が良いと
発表しましたが、思わずこれは馬鹿げた発表であると発言しました。
ガンでないものにリスクのある治療は必要ありません。
当然、ガンでないものを治療すれば成績は良くなりますが
治療される患者さんにとっては、ある程度生命がかかるのです。
まず、定義をはっきりさせ、どのようにするかきちんと決めないと
どの治療が良いのかさえわかりません。困った問題です。
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