昨日の手術は、2例で5時間かかり、身体がバリバリで
早く目が覚めてしまいました。
1例目は、広島からこられた40代の進行肝癌の患者さんでした。
約1年近く、抗がん剤持続動注療法を受けておられましたが
効果が見られず、私を頼ってこられました。

左に大きなメインの肝癌があり、全肝にがんが広がっていました。
腹腔動脈造影をして驚きました。持続動注のカテーテルの先端が
右のS6に入り込んでいます。これでは抗がん剤は一部にしか
流れませんし、長くカテーテルを留置していたため、肝動脈が
狭くなり、もうすぐダメになるところでした。


留置カテーテルがじゃまをして、操作が難しい状態で
左にマイクロカテーテルを進め、しっかりと門脈動脈同時塞栓療法を
行い、左右の多発転移巣をしっかりTACEし、横隔膜下動脈の
枝にマイクロカテーテルをいれ残りを総て、しっかりと治療しました。
これで、全ての肝癌は消えますが、再発前提でフォローしなければ
なりません。持続動注のカテーテルが問題です。
日本では、広がった肝癌や転移性肝がんに抗がん剤持続動注療法が
行われることが多いのですが、多くの場合、効果が無く、血管を
ダメにすることが多いのです。
持続動注療法では、西に久留米の板野先生、東に東京の小尾先生が
います。彼達なら、効果がでるように工夫してくれますし、
効果無ければ、カテーテルを抜去して、次の治療に備えてくれます。
肝癌の治療はどこで受けても同じと思っているのかも知れませんが
治療するのは、医者で、技術も経験も違います。
保険制度の十分でないアメリカでは、患者さんたちは
熱心に調べて、治療成績の良い医師に治療を受けます。
癌は貴方の命を奪う病気なのです。熟練していて熱心で
誠実な医者を探すべきです。
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