少し秋らしくなってきましたね。
今日は、新しいC型慢性肝炎の治療、3剤併用療法について
解説します。C型慢性肝炎には、1グループと2グループが
ありますが、2グループは従来の2剤併用を半年することで
80%~90%の患者さんが治りますが、1グループ高ウイルスの
患者さんは1~1.5年続けても50~60%の患者さんしか治りません
でした。
昨年の12月から、日本でも3剤併用療法が行われるようになり
半年間週1回のインターフェロン、ペグイントロンの注射と
従来のリバビリン製剤レベトールの内服を半年続け、始めの
3か月、プロテアーゼ阻害剤テラプレビルの内服することで
1グループ高ウイルスの患者さんでも、70%以上の患者さんが
治る時代となりました。
問題は副作用です。発熱、血球減少、うつ、脱毛などの従来の治療で
みられる副作用に加え、貧血、皮膚症状が強く見られ、腎障害
肝障害などが報告されています。死亡例も報告されています。
しかし、ほとんどの副作用の対処方法もすでにわかっており
こまめな検査と、早めの減量で対処でき、皮膚症状も
ステロイドを早めに使うことで、重症化が避けられます。
現在5人の患者さんに使用していますが、重篤な合併症は
回避できております。
C型肝炎のお薬は、海外でどんどん研究が進んでいます。
欧米では、テラプレビルと同時にボセプラビルが使用できる
ようになっていますが、ボセプラビルは副作用が少ない
との報告もあり、日本でも早く使えるようになれば良いと
思っています。
今日も2例手術があります。
ガン張っていきますか・・!!
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台風の余波で、雨の日曜日です。
台風で被害にあわれた方々に、心よりお悔やみ申し上げます。
それにしても、今年は、東北大震災といい、日本にとって大変な年です。
泥鰌首相の野田さん、心して、ナマズになって、日本の構造を変えるようにしてください。
以前、ブログ内の「沈黙の臓器~肝臓」でもお話しましたように
肝臓は、なくてはならない人体の化学処理工場で、必要な
蛋白質や、酵素や、抵抗力の素の補体を作ったり、エネルギーを
グリコーゲンに変え、蓄えたり、不必要なものを解毒したりします。
肝硬変になると、そういう能力がおちますので、色んな症状がでます。
男性も女性ホルモンを作っていますが、その処理は肝臓でされます。
腹水が溜まりやすくなりますので、アルダクトンという利尿剤が
必要になりますが、これは、構造式が女性ホルモンに似ています。
そのため、男性でありながら、女性の乳房のようになることが
あります。これが女性化乳房です。
BさんはC型肝硬変で、十数年前から見ていますが、
血球減少のため、インターフェロン(IFN)が十分に使えず、
治すことができませんでした。
5年前には、肝癌ができましたが、私の門脈動脈同時塞栓療法で消え、
一時、肝肺症候群で危ない時期がありましたが、
今は元気に外来に来られています。

Bさんの許可をもらいましたので、みごとな女性化乳房を
お見せします。時々からかいますが、その照れ様は
なかなか、可愛いのです。
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肝硬変は、慢性肝炎の最終像で,肝細胞が脱落して
線維という組織に置き換わり、肝臓が小さく硬くなった状態です。
症状が出る前を代償期、症状が出てからは、非代償期と言います。
腹部で消化吸収されたものは、門脈という血管で肝臓に運ばれますが
肝硬変では、肝臓が、固くなっているため、門脈血流は流れが悪くなり
門脈圧亢進症という状態になります。
そのため、腹水がでやすくなり、脾臓が大きくなり、肝臓を通らない
血管(副側路)ができます。その代表が食道静脈瘤です。
食道の内側に大きな血管ができるのですから、大出血、急死の
原因となります。
Aさんは、C型肝硬変で、5年前、肝癌ができ、私の治療で
肝癌は消えていますが、今年の6月、黒色便が出て来院しました。
早速、胃カメラをしますと、F2の食道静脈瘤があり、フィブリン栓
が見られ、食道静脈瘤破裂と診断し、
さっそく内視鏡的結札術(EVL)しました。
2週間で軽い潰瘍を残すのみとなり、退院。
8月のカメラでは、食道静脈瘤は、完全に消失しておりました。


食道静脈瘤は、再発しやすく、このように、完全に治療しておく
必要があります。
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肝硬変とは、慢性肝炎が進み、肝細胞が徐徐に消えて
線維という組織に置き換わり、
肝臓が小さくなり、固くなった状態のことを言います。

ですから、肝臓の能力は低下し、門脈圧は高くなり
肝癌の発生も多くなります。
症状が出ない間を、代償期、
症状がでると、非代償期肝硬変といいます。
主な症状として、腹水、黄疸、肝性脳症、食道静脈瘤破裂などがあり
ひどくなると死にいたります。
肝臓は、消化吸収した血液を、門脈から受け取ると
体に必要な、蛋白質(アルブミン、凝固系蛋白質、免疫を調整する補体など)を
つくり、グルコースをグリコーゲンに変え、身体に必要なエネルギーを
補給し、要らないものを解毒分解します。
肝臓は、人が生きて行くのに大事な化学処理工場です。
ですから、肝硬変になると身体に必要な物が減り
すべての身体の働きが悪くなります。
要らないものが溜まりますので、たとえば
アンモニアが溜まりますと、肝性脳症を引き起こし
意識が悪くなり、ひどくなると肝性昏睡となり死に至ります。
また、肝硬変になると、門脈血流は肝臓に流れにくくなり
門脈圧は高くなります(門脈圧亢進症)。
門脈圧亢進症がおこりますと、脾臓が大きくなり
血中のアルブミン低下と一緒になって腹水が溜まり
肝臓を通らない血管が出来てしまいます(副側路)。
副側路の代表が、食道静脈瘤です。
食道静脈瘤が破裂すると、大出血で死に至ることも
あります。
治療は、原因となった肝炎を治すことですが
非代償期肝硬変になると、それも難しくなり
対症療法になり、ついには、移植となることもあります。
肝硬変になるまでに、慢性肝炎を治したいものです。
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以前、アルコールは肝硬変になる可能性があるとお話しましたが、
今日は、肥満や糖尿病が、肝硬変や肝癌になることがある
と言うお話をします。
従来、脂肪肝は良性の経過をとると考えられてきましたが
最近、脂肪肝のなかにも、進行性に肝硬変や肝癌
になることがあると分かってきました。
それが、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)です。
NASHは、非アルコール性とあるように、
アルコールなしで発症する原因不明の肝炎のことを言います。
脂肪肝は、ありふれた病気ですが、そのなかで
GPT(ALT)が動く人は、要注意です。
治療は、脂肪肝の原因である肥満や糖尿病を
きちんとコントロールすることしかありません。
Aさんは、7年前少し肥満傾向のある糖尿病で
きましたが、NASHも併発していました。
糖尿病はコントロール出来ましたが、肥満は解消できませんでした。
NASHは進行し、肝性脳症や肝癌を併発する
肝硬変に進行しました。

肝癌は、私の門脈動脈同時塞栓療法で治療し
消えていますが、再発のリスクが高そうです。
たかが肥満と思わないで前向きになりましょう。
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