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おはようございます。

僕の留学先のスウェ-デン、ストックホルムでは、
夏は朝の4時くらいから夜の10時くらいまで太陽が出ています。
逆に、冬は一番短い時で2時間くらいしか太陽が出ません。
ですので、夏でも冬でも、今が昼なのか、夜なのか、
だんだん分からなくなる時がよくあります。
日本では当たり前に昼が来て夜が来ますが、
こういうことでさえも与えられた素晴らしいことなんだと
気付かされます。感謝です。

今週、岩本内科医院で治療を行った方を紹介します。
他病院にてC型肝硬変症で経過を見られていた50歳代の女性です。
一昨年の夏に2 cm大の一個の肝臓がんを発症しました。
その癌は、手術によって取り除かれたのですが、
その後再発を繰り返し、よりよい治療はないか?今の治療方針でよいのか?
と不安になられセカンドオピニオンを目的として、
当院を去年の10月に受診されました。

これまでに2回、当院での血管造影を用いた手術
(門脈動脈同時塞栓療法)を受けて頂いて、
先週3回目の治療を山口院長先生と僕とで行いました。
治療時の血管造影下CT (アンギオCT)をお見せします。
治療前 血管造影下(アンギオ)CT
門脈造影下CTで黒く抜ける、
肝動脈造影下CTで白く染まるのが、肝臓がんです。
この方の場合は、肝臓の右側に数個、左側は正常な肝臓と癌の境が
はっきりとしないびまん型と言われる種類の肝臓がんが再発しています。

血管造影を行いました。肝動脈からの撮影で、
黒くもやもや見えるのが肝臓がんの像です。
血管造影 肝動脈、上腸間膜動脈
通常、肝臓は総肝動脈という動脈で栄養されています。
特に、肝臓内に出来た肝臓がんはこの肝動脈から栄養されます。
しかし、癌が大きくなりすぎたり、肝動脈塞栓療法などの治療を
繰り返した場合、癌は肝動脈からだけでなく、
肝動脈以外の動脈・肝臓の外側から動脈を
引っ張ってくる場合があります。
この方の場合も、治療を数回繰り返していることや、
癌の性質が影響し、肝動脈以外の胃十二指腸動脈の分枝、
上腸間膜動脈の分枝から癌に血液を供給していました。

この様な場合でも、下の画像の様に、
それぞれの栄養動脈にマイクロカテ-テルを挿入できれば、
治療が可能となります。
多くの他の施設ではなかなかここまで追いかけて
治療しない施設も多いようです。

今回の場合は、下の画像の様にぎりぎり先まで挿入しましたが、
アンギオCTで範囲を確認しますと、
どうしても正常な腸の一部が入ってしまうので
この動脈は治療をしませんでした。
ですので、別のル-トからマイクロカテ―テルを挿入し、治療を行いました。
血管造影 肝臓を外から栄養する動脈にも選択的にカテ-テルを挿入します

下の画像で治療薬がそれぞれの癌の中に
しっかり貯留しているのが分かると思います。
治療時間は4時間かかりました。
患者様も横になった状態で4時間よく頑張ってくれました。
治療後 血管造影下(アンギオ)CT

肝臓を守りながら、いかに肝臓がんを治療するか・・・
どこまで追いかけて治療できるかというのが、
肝臓がんの患者様を救う一つの鍵だと思います。
さぁ、今週も最後まで、ガン張りますか・・・

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テーマ:医療・病気・治療
ジャンル:心と身体
コメント
いつもガンと戦うその根気と情熱に感服しています。先生のところで治療を受ける患者は幸せだと思います。同じ治療でも医者のやる気で効果は天と地の開きがあるような気がします。これからも頑張ってください。
2014/06/08(Sun) 04:32 | URL | たか | 【編集
Re: タイトルなし
たかさん

ありがとうございます! 山口院長先生と二人で気合を入れてガンばっていきます!
2014/06/15(Sun) 20:51 | URL | 岩本昭三 | 【編集
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